ラグビーW杯2019年日本大会1次リーグ・第19日 10月13日(日)

ラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会12日、福岡・レベルファイブスタジアムで
日本と同じ1次リーグA組アイルランド(世界ランク4位)とすでに1次リーグ敗退が
確定したサモア(世界ランク14位)が試合。

この日は、台風19号に影響されて2試合が中止。

A組はここまでは勝ち点14で日本がトップ。

勝ち点11のアイルランドは4トライ以上挙げて勝てばA組2位以上が間違いなし、
決勝トーナメント進出が確定する。

アイルランドが勝利を逃してしまうと、日本の初めての1次リーグ突破が決定する。

13日は日本-スコットランド(午後7時45分開始、横浜・日産スタジアム)など
1次リーグ4試合を予定。

台風の影響が考慮され、開催のできるかどうかは13日に確定。
(世界ランキングは11日現在)

▼ラグビーW杯2019年日本大会1次リーグ・第19日 10月13日(日)【目次】

  1. アイルランド主将圧倒的自信
  2. 日本代表決勝トーナメントへ組織で固守する
  3. 心を高揚させて激しい雨のグラウンドに足を踏み入れた
  4. 平成生まれの日本代表の主力たち
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アイルランド主将圧倒的自信

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アイルランド主将圧倒的自信
出典元:https://00m.in/rX7CB

自力での決勝トーナメント進出をかけ、プレッシャーのかかるサモア戦で、
アイルランドをけん引するのが、フッカーのローリー・ベスト主将。

2007年から4大会連続W杯であるチーム最年長の37歳は
「自分自身できちんとコントロールできるということが一番大事」と動じる様子なんてない。

膨大な経験に裏付けされた揺るぎない自信が、チームに信頼感が生まれる。

世界ランキング1位でW杯開幕を迎えたアイルランドは、初戦で長きにわたるライバル、
スコットランドをノートライに抑えつけて完勝したものの、次の日本戦で不覚を取った、
そうであってもロシアとの第3戦は零封勝ち、失いそうになった自信を回復させる。

1次リーグにつき、ベスト主将は
「強豪(優勝候補)と評価されて日本に進出してきて、2戦目で負けてしまい、自信はいくらかは揺らいだけども、それもう乗り切った」とコメント。

「私たちはすばらしいプレーがどういったものかをよく知っている。自分たちに何ができて、どうすべきかはよく分かっている」と伝統チームのプライドを見せた。

▲ラグビーW杯2019年日本大会1次リーグ・第19日 10月13日(日)【目次】

日本代表決勝トーナメントへ組織で固守する

ラグビーカップワールド(W杯)2019日本大会は13日、
W杯1次リーグA組最終戦スコットランドに臨む。

12日は激しい雨の中、都内で軽めの調整を行って大一番に備えた。

世界ランキングは日本の8位に対して、スコットランドは9位とはいえ、
これまでの対戦成績は日本の1勝10敗と良くない。

前回2015年W杯第8回イングランド大会で100-45でただ一つの黒星をくらった。

初めての決勝トーナメント進出のため、築いてきた組織的な防御で
失点を最少に抑えることができるかが、カギとなる。

開幕からロシア、アイルランド、サモアに3連勝した日本は、
3試合で許したトライ数はたった4トライ。

体格とパワーを圧倒する海外選手を2人で倒す「ダブルタックル」が機能する。

防御のリーダーを担うCTB中村亮土(サントリー)は
「フィジカル(身体能力)の面でものすごく戦える自信を持っている」と話す。

タックルに人数かけてもすばやく立ち上がり防御ラインに立ち戻る。
ねばり強い組織防御も、反則を犯さずに80分間やり続けるためには
日本の素晴らしいところ、持久力が問われる。

キック処理も重要な要素。スコットランドはSHグレイグ・レイドロウ、
SOフィン・ラッセルのハーフ団がキックで巧にスペースを突く。

日本のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチは
「スコットランドは大きく経験値の高レベルな選手ばかり。空中戦、モールで重圧をかけてくるはず」と警戒。

13日は台風19号が影響を及ぼして強風に見舞われることが考えられる。
開幕戦以来の出場のFBウィリアム・トゥポウ(コカ・コーラレッドスパークス)や
初先発のWTB福岡堅樹(パナソニック ワイルドナイツ)らの連係も大事。

キックは日本の攻撃の軸という側面もある。
サモアとの第3戦では相手の防御ラインの裏へキックを集めて競り合い、
スタミナを消耗させたことが奏功した。

しかしながら、スコットランドはFBスチュアート・ホッグら動きが速いバックス陣を擁するだけあって、その場しのぎのキックでボールを渡せばカウンターを食らう危険が高い。

キックを蹴る位置や時間帯であるとか、状況判断が最も大事。

日本はスクラムラインアウトといった攻撃の起点となるセットプレーの安定を図りたい。

そうしてからFWがスピーディーな集散によりブレークダウン(密集でのボール争奪戦)で
先手を奪い取り、連続攻撃から左の福岡堅樹、右の松島幸太朗の両面WTBの快速を生かし、
トライを目差す。

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心を高揚させて激しい雨のグラウンドに足を踏み入れた

およそ1時間の最終確認。5日のサモア戦の直後に主将のリーチ マイケルが
私情まじりに放った一言が、その執念を物語る。

「個人的に言えばスコットランドはボコリたい」今日まで通算成績1勝10敗。

前回2015年W杯第8回イングランド大会の中でも10-45で大敗し、
3勝を挙げながらも勝ち点2が及ばすは初めての8強を逃した。

前日11日リーチ マイケルは「鬼となる」とコメント。
宣言とおりこの日、心を鬼にして強行練習に打って出る。

台風19号が接近する中、午前9時からのスケジュールを30分繰り上げスタート。
建物内のロッカールームから外のグラウンドへと続いている
通路は膝まで雨が溜まっていたのです。

足元はぬかるみ、危険を考えてゴールポストを取り外し。
公開された冒頭15分間の練習は、水しぶきを上げつつウォーミングアップメニューを消化。

「これまでの中で一番の準備をしたい」とSO田村 優が語るごとく、
通常の前日準備に。10時前に練習を切り上げると、都内から決戦の地、横浜へと移動。

移動が難しくなるのを警戒して、出発の時間も早くした。

できるかどうかは朝決まり。
試合の開催できるかどうかは開始の6時間前までに決定する規定がある。

13日の試合につきましても大会組織委員会はその日の朝に決定する方針。
中止で引き分け扱いともなれば、日本の決勝トーナメント進出が確定される。

スコットランドのグレガー・タウンセンド監督は
「試合が行われると信じたい」とちょくちょくアピール。

日程や判定が日本に優遇されているとの発言もあって、
ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチは前日11日の会見で
「コントロールできるはずがないようなことに不平不満を上げている」と辛口コメント。

場外戦の様相を呈してきました。

HOの堀江翔太は「勝ち抜いてベスト8に行く」と言及してきた。
スコットランドはこの日、屋外練習を行わなかった。

練習の強行は、逃げも隠れもしないという、宣戦布告の側面がありそう。

台風19号が影響を及ぼして会場である日産スタジアムのグラウンド状態は
“不良馬場"になりそうだ、スクラムを最前で支えるPR稲垣啓太は
「スパイクを2、3足持ち出し、ポイントの長さを差しかえる」。

強風が残ればキックといった空中戦に影響が及ぶ、
「風はプラス材料にしていきたい」とWTB福岡堅樹。

打つべき対策は打っています。2016年9月のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)就任以来、準備を展開させて来た3年間の本来の実力が問われる時がやって来た。

「一つだけ証明したいことがある」。

大会開幕前、リーチ マイケルはこう宣言していました、歴史を塗り替える、
台風一過の秋の夜に、満開の笑顔が咲き誇る。

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平成生まれの日本代表の主力たち

30年にかけて続いた「平成」が終った。
ラグビー界を振り返れば、平成とともにスタートしたのが神戸製鋼の連覇であって、
日本代表が秩父宮でスコットランドXVに勝ったのも平成元年。

世界を見渡せばワールドカップがスタートしたのも平成に入る1年前で、
国際ラグビーがワールドカップを軸に回り始めたのも平成から。

そして平成世代は、もうすでに社会でも中核を占めはじめた。
そこで、このタイミングでラグビー界の平成生まれの活躍ぶりを確認してみた。

早明戦の前日生まれ
平成の終る2019年4月末を最後に、平成生まれ最多キャップになった立川理道(クボタ)。

誕生日は1989(平成元)年が終ろうとする12月2日
(この日は土曜日、清宮克幸主将の早大が竹ノ内弘典主将の明大と戦った早明戦の前日)。

立川理道は2011年度に天理大の主将となって大学選手権準優勝、
2012年にクボタ入社と合わせてエディージョーンズ新HCの就任した新生ジャパンに招集され、
エディージャパン初陣のカザフスタン戦で初キャップを獲得すると、
それから2013年11月のニュージーランド戦まで20テスト連続出場。

エディージャパンの中軸となって、2015年(平成27)W杯第8回イングランド大会でも
4試合全部に先発、うちスコットランド戦を除いた3試合にフル出場して
W杯初の3勝に大きく貢献した。55キャップは五郎丸の57に次ぎ歴代13位。

立川理道に次ぐのは田村 優。初キャップは同じカザフスタン戦。
2015年W杯では出場2試合にとどまったが、2016年からはサンウルブズ、
日本代表とも主戦SOを任されキャップを重ねてきた。

田村 優(キヤノン)の誕生日は1989年1月9日(早生まれなので、立川理道よりも1学年上)。

昭和天皇の崩御は1月7日
(その日に予定されていた高校大会決勝戦は中止、大学選手権決勝は11日に延期される)。

平成に改元されたのが翌8日、田村 優が生まれたのは平成2日目。
同じ日に、セブンズ日本代表リオオリンピック大会代表の豊島翔平(東芝)。

元セブンズ日本代表の長野直樹(元サントリー)も産声をあげている。

平成2日目に東西3箇所で生まれた3人が揃って大学~社会人ラグビーで活躍、
7人制と15人制の日本代表に登り詰めたのは面白い符号。

史上最年少出場を更新
平成キャップランク3位は、31キャップの藤田慶和(パナソニック)。
生まれたのは1993年(平成5)9月。

東福岡高3年でセブンズ日本代表入り。
早大入学を前にエディージャパンの合宿に招集され、2012年5月5日のエディージャパン第2戦、
UAE戦に史上最年少となる18歳9ヶ月で代表デビュー。

その試合でいきなり6トライ。
しかも最後の6トライ目は日本代表テストマッチ通算1000トライ目という
節目の記録だったというから「持っている男」の面目躍如。

1差の4位、30キャップにも快速ランナーが並ぶ。
1992年(平成4)9月生まれの福岡堅樹(パナソニック)は
エディージャパン2年目の2013年4月、
福岡レベスタで行われたフィリッピン戦で初キャップ。

途中出場ながら2トライをあげてデビューを飾った。
1993年(平成5)2月生まれの松島幸太朗(サントリー)は、
さらに1年遅れた2014年5月、アウェーのフィリッピン戦で初キャップ。

松島幸太朗もデビュー戦で2トライをあげた。
この2人はユース時代から競い合ってきた同学年のライバル。

1学年下の藤田慶和も含めた3人が競演した2010年度の全国高校大会は
見応えがあった(決勝は桐蔭高校と東福岡が31-31で引き分けた)。

FWの筆頭がガッキー
ここまでトップ5はすべてBKの選手が並んだが、6位にようやくFWが顔を出す。

1990年(平成2)6月、秩父宮で行われた1991年W杯アジア太平洋予選の
2ヵ月後に新潟で生まれた稲垣啓太(パナソニック)は、
関東学院大3年の2011年度に大学選手権4強入り。

2013年11月のルーマニア戦に24歳で初キャップを獲得すると、
懐深いスクラムに加え豊富な運動量と旺盛なタックルでジャパンの背番号1に定着。

負荷の高いFW第1列で試合出場を重ねてきた。

22のキャップの7位には、1992年(平成4)2月生まれ、
エディージャパン初戦のカザフスタン戦で初キャップを獲得した内田啓介(パナソニック)と、
1990年(平成2)1月生まれ、稲垣啓太と同じ2014年11月のルーマニア戦で
デビューしたアマナキ・レレィ・マフィが並ぶ。

16キャップの9位には1991年(平成3)6月生まれの中村亮土(サントリー)、
1994年(平成6)5月生まれの松田力也(パナソニック)が並び、
さらに1差の15キャップには1992年(平成4)9月生まれの流 大(サントリー)。

帝京大学OBがずらりと並ぶのも、平成という時代を象徴している。

なお、平成生まれのキャップ第1号が誕生したのはエディージャパン初戦のカザフスタン戦。

同着第1号は立川理道(クボタ)、田村 優(キヤノン)、内田啓介(パナソニック)に加え、
有田隆平(神戸製鋼)、坪井秀龍(中国電力)ともに1989年3月生まれの5人。

なお平成生まれのテストマッチ通算トライランクでは、
26トライの藤田慶和(パナソニック)が1位(平成に限らない全体ランクでは5位)。

福岡堅樹(パナソニック)が18トライ、松島幸太朗(サントリー)は13トライと続く。

昭和63年組、64年組
田村 優(キヤノン)らと同学年ながら「遅生まれ」の昭和63年生まれのため
平成ランキングに入らなかった選手には、1988年10月生まれの
リーチ マイケル(東芝)59キャップ、1988年7月生まれの木津武士(日野)44キャップ、
1988年6月生まれの三上正貴(東芝)35キャップ、山中亮平(神戸製鋼)12キャップ。

平成に改元される前の昭和64年、1989年1月7日までに生まれた選手はいるのか?

日本代表キャップ保持者では見つからなかったが、TL名鑑を探ってみたところ、発見!

NECの森田洋介は1989年1月5日生まれだから、
高校大会準決勝で茗渓学園と大阪工大高が勝ち上がった日に生まれる。

代表歴はジュニアジャパンと関東代表にとどまっているが、
2018年シーズンのTLでは全試合出場。

ゴールキッカーとして成功率74.1%で、ダン・カーター、
マット・ギタウに次ぐ3位に食い込んだ(TL表彰対象のキック22回以上)。

日本人キッカーでは最古位のキック成績です。

平成グラフィティー
日本代表は30年間で底と天井を経験した。プロ化を進める世界と、
放牧的なままの日本代表強化のギャップは1995年(平成7)のW杯第3回南アフリカ大会で、
ニュージーランドに17-145という記録的大敗となって表れた。

その後、平尾誠二氏(故人)の監督起用(1997年/平成9)、
一部選手との専従契約制度(2001年/平成13)などに努めたがなかなか結果は得られず、
2003年(平成15)のW杯第5回オーストラリア大会では好パフォーマンスを見せるも4戦全敗に終った。

転機となったのは2009年のに決まったラグビーワールドカップ(W杯)招致。

過去の挑戦と失敗の末、2019年大会の日本開催を勝ち取った。
そして、2012年のエディー・ジョーンズヘッドコーチ就任が
日本ラグビー上昇の足がかりとなった。

指揮官の手腕と強化活動へのサポートが実り、2013年(平成25)にウェールズ戦勝利、
2015年(平成27)のW杯第8回イングランド大会では優勝候補の南アフリカを34-32で破る大金星を挙げる。

翌年からはスーパーラグビーにも参戦(2020年まで)し、
W杯開催国として最低限の強化対策は整えた。

主将のリーチ マイケルプロフィール

▲ラグビーW杯2019年日本大会1次リーグ・第19日 10月13日(日)【目次】

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