ラグビーワールドカップ2019年日本大会 10月21日(月)W杯決勝トーナメント

日本国の低レベル評価ぶち壊す リーチ マイケル主将
ラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会は、
世界のラグビーファンの記憶に刻まれる快進撃を魅せ、21日にチームを解散。

誰よりも日本のラグビーを世界中で認めてもらうことにしようと尽力してきたというのが、
W杯2大会連続で主将の職責を果たしたリーチ マイケル選手(31歳)

▼ラグビーワールドカップ2019年日本大会 10月21日(月)W杯決勝トーナメント【目次】

  1. リーチ マイケル 反骨心忘れずにチームけん引
  2. 福岡堅樹 新たな船出15人制は卒業東京オリンピック大会以降は医師の夢へ
  3. 南アフリカ出身 ピーター・ラブスカフニ 新しい故郷仲間と
  4. W杯決勝トーナメント 南アフリカ(世界ランク4位)26-3 日本(世界ランク6位)
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リーチ マイケル 反骨心忘れずにチームけん引
リーチ マイケル 反骨心忘れずにチームけん引
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リーチ マイケル 反骨心忘れずにチームけん引
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リーチ マイケル 反骨心忘れずにチームけん引

東京都内で21日行なわれた日本代表の総括記者会見には、全31選手が参列。

準々決勝(20日)で優勝候補の南アフリカに勝つことができなかったが、
リーチ マイケル選手は、
「ベスト8はほんとにうれしい。日本が強い状態で今後も継続し、ファンに感動を届けられれば」と満足感を漂わせた。

ニュージーランド(NZ)で誕生し、高校1年だった2004年、北海道・札幌山の手高校に留学したリーチ マイケル選手は、日本選手のスキルの素晴らしさに驚かさせる。

その当時、日本のW杯における勝利は、
1991年(平成3)第2回イングランド大会、ジンバブエ戦(8-52)だけ。

評価はとんでもなく低レベル。
「日本の中には上手な選手がたくさんいた。けれど、外国人は日本をばかにする。とても嫌だった。皆からリスペクト(尊敬)されるようにするつもりだった」。

ラグビー代表資格に、国籍を条件としないで、ニュージーランドや
母の故郷となるフィジーの代表を志す選択もありました。

だけど、リーチ マイケル選手としては飛躍を成し遂げた日本を選択する。
ニュージーランドのご両親は背中を押し、東海大に在学している時の2008年に日本代表入り。

W杯は2011年(平成23)第7回ニュージーランド大会、
2015年(平成27)第8回イングランド大会、今大会と3大会連続で出場。

2015年大会で南アフリカを倒す番狂わせを演じたことから、
世界各国の強豪チームの見る目はまぎれもなく変化を見せた。

「世界中で一番小さいチームの日本が、大きな相手を撃破する姿を見て欲しい」と決意し、
ベスト8以上を目標に今大会に望んだ。

日本はハードな合宿で学んだフィットネス(持久力)やスピーディなパス回し、
組織的なタックルというものを使いこなし、強豪のアイルランドやスコットランドに
勝利した試合では、リーチ マイケル選手がボールを持っているたび「リーーーチ」と
低い響きわたる応援の声がスタジアムに沸き起こるようになってきた。

「自国開催でたくさんの人に影響をもたらすチャンスが目前にある。プレーで感動を与えたい」
という望みは現実的なものになった。

20日のゲームが終わった後、南アフリカのヨハン・エラスムス監督は
「同じ組にティア1(世界の強豪10ヵ国・地域)が2チームいながら、日本は1次リーグを1位で通過した。誇りに思って欲しい」とたたえた。

日本を過小評価する声は、もう聞き取れない。

21日の記者会見でリーチ マイケル選手は
「努力をして打ち勝つためにありとあらゆることをを実践してきた。このチームでキャプテンもやって、誇りに思える」と自負心を隠さなかった。

平均世帯最高視聴率 日本対南アフリカ戦41.6%

ラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会で、NHK総合が20日に生中継行なった準々決勝の日本-南アフリカ戦(午後7時10分~9時20分)の平均世帯最高視聴率が関東地区で41.6%と21日、ビデオリサーチの調べで明らかになった。

本年度の全番組で最高世帯視聴率を記録。
名古屋地区は39.7%、札幌地区は44.5%。

関東地区の瞬間最高視聴率は、後半23分にハンドレ・ポラードのPGで南アフリカに3-14と突き放されていた場面(午後8時55分)で49.1%、名古屋地区46.6%(午後8時14分)、
札幌地区51.8%(午後7時56分)。

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福岡堅樹 新たな船出15人制は卒業東京オリンピック大会以降は医師の夢へ

ラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会で、初めての1次リーグを突破した日本。

優勝候補の南アフリカに3-26で負けた準々決勝から一夜開けた21日、都内で記者会見行なった日本代表のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は
「3年間チームはハードワーク実践してきた。これまで以上に努力を積み重ね。理想通りの状態になりトップ8を達成した」と統括。

チームはその日の内解散。
今回のW杯を最後として代表から勇退する選手も存在し、それぞれの道を歩んで行く。

南アフリカとの準々決勝をし終わった後、WTB福岡堅樹選手は芝の上に寝転がり夜空を見上げる「終った後、ちょっぴりさびしくなる気持ちだったのです」。

今回の大会で15人制代表の活動から引退するということを表明してきました。
W杯で4試合連続トライはならなかった。

やり切ったといった達成感に包み込まれた。
ノートライに終った南アフリカ戦だけど、トップレベルの快足を見せつける場面もありました。

前半15分。マイボールスクラムから展開し、福岡堅樹は左サイドを突破。
ゴール前まで接近するが、反則でチャンスを取り逃す。

防御の裏を突こうと挑戦したものの、
南アフリカの気迫で溢れるタックルで前進をブロックされる。

「ディフェンスの厚さを感じられた、チャンスは見つかったが、得点につなげられませんでした」。はっきりした口調で大敗を認めた。

W杯前最後のテストマッチ(代表戦)でした9月6日の南アフリカ戦で右ふくらはぎを負傷し、ロシアとの開幕戦を欠場。

次にやってくるアイルランド戦は完璧の状態ではありませんでしたが、急きょメンバー入り。
途中出場で逆転トライを挙げ、開幕を世界ランキング1位で迎えた強豪を倒すドラスチックな勝利を演出。

ここから日本代表の新記録となるW杯3試合連続のトライの大活躍。
一瞬のすきを突いて相手防御を置き去りにするスピードは世界でも通じると立証。

「サイズがない(大柄でない)人がどのようにしてフィジカルな競技で闘っていくか。来年は東京オリンピック大会もあります、希望になって欲しい」。

身長175cmの福岡堅樹は、たくさんのアスリートに勇気を与えたなのではないか。

歯科医師の父、医師の祖父の後を追いかけ、来年の東京オリンピック大会の7人制を最後として競技の第一線を退き、医学部進学を志す。

W杯を通じ、もっともっと成長望める手応えも感じられたが
集大成にして、自分自身の人生でも文句なしの大会でした」と未練などない。

もうひとつの夢舞台とされる東京オリンピック大会に向け、
残りのラグビー人生を雄々しく疾駆する。

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南アフリカ出身 ピーター・ラブスカフニ 新しい故郷仲間と

終了するまで体を張り、仲間を奮い立たせやり続けた。
南アフリカ出身ではあるが日本代表を選択し、初めての8強進出に貢献した
フランカーのピーター・ラブスカフニの表情は物静かであった。

新しい故郷と愛しい日本での代表の快進撃に
「チーム全体が一つになって『兄弟』と呼んでもいい関係となった。終るのは寂しいと同時に誇りに思う」とハードな1ヵ月を振りかえる。

ピーター・ラブスカフニは南アフリカの首都プレトリアで育った。
親戚やお友だちにラグビー選手は大勢、7歳で競技を始める。

大学卒業した後は南半球最高峰リーグ「スーパーラグビー(SR)」の
チーターズやブルズでもプレー。

日本への関心が沸いたのは、W杯2015年(平成27)第8回イングランド大会がきっかけ、
南アフリカから金星を挙げた一戦を、ピーター・ラブスカフニは故郷でお友だちと見ていた。

試合終わる間際、引き分け狙いのPGどころか、スクラムを選択した心意気に共感。

勇敢さにハートを奪われた。勇敢な行動を日本文化と言えるもので」。
2016年に来日してトップリーグ・クボタでプレー。

今年(2019)に入り、日本代表資格を取得する。
初キャップ(代表戦出場)を刻み込んだ7月のフィジー戦ではだしぬけにゲーム主将を任され、
今回の大会中も主将リーチ マイケルの負担を少なくすることを考えて
「ダブルキャプテン」の役目を務める。

おおらかな性格から想像できないくらいにひとつひとつのプレーは激しく、手堅い。
日本文化も意識して身に付け、7ヵ国にルーツが見られるチームの多様性を象徴する存在に。

縁深い南アフリカとの再戦、前半に脳しんとうの疑いで一時ピッチを離れ、
顔にでかい傷を作ろうとも、鍛え抜かれたタックルで立ち向かいやり続けた。

「日本チーム以外によって戦うのは思いつかない。自分たちの作ってきた闘い方、仲間を信じることができた。私たちを見て、国民のみんなにも誇りに感じてもらえるのなら」。

ピーター・ラブスカフニの献身的な姿は、大勢の人の記憶に刻まれた。

▲ラグビーワールドカップ2019年日本大会 10月21日(月)W杯決勝トーナメント【目次】

W杯決勝トーナメント 南アフリカ(世界ランク4位)26-3 日本(世界ランク6位)

東京調布市・味の素スタジアム 観客数4万8831人
ラグビー日本代表は20日、準々決勝で南アフリカに敗れ、
これまでで一番のベスト8で大会をは終了した。

南アフリカのフィジカルの強さを発揮したセットプレー、
激しい防御に対処行えず、消耗戦を強いられた。

ラインアウト成功率 日本62%、南アフリカ100%

ラインアウトは、先発メンバーに2mを超す選手を3人並べた南アフリカが、
10回すべて成功を収めたのに対して、日本は13回のうち8回の成功にとどまる。

ラインアウトで圧力をかけられず良い形でモールを組み立てられ、
想像以上に前進を許す場面が目を引いた。

後半25分には、ラインアウトから30mを超えてもモールを押され、
決定的2トライ目を許した。

スクラム成功率 日本89%、南アフリカ86%

両チームの先発FW8人の総重量は、日本868キロ、南アフリカ900キロ。
スクラム成功率そのものは9回中8回で日本が上回ったが、
南アフリカの重量FWを要所で受け止め切れなかった。

日本が前半3分に先制トライを許した場面は、
自陣22m付近でスクラムを5m近く押し込められ、
スペースの開いた狭いサイドを突かれる。

後半にも自陣で圧力を浴びせられてスクラムを
崩したということで反則を取られ、PGで失点。

日本も相手のシンビン(10分間の一時的退場)で数的優位に立つことになった
時間帯にスクラムで優位に立って反則を誘い込むが、試合全体を通じた「質」、
絶好の機会で勢いよく押し込む駆け引きを含めて、南アフリカに軍配が上がる。

タックル成功率 日本91、南アフリカ140

タックルの回数は、
南アフリカのフィジカルを前面に打ち出した戦い方を指し示す。

ロックのルード・デヤハーが両チーム最多の15回、CTBダミアン・デアリエンディ14回と、FW、バックスとも10回以上のタックル数を記録。

SHフランソワ・デクラークが正確なハイパントを蹴り、
何人かの選手が鋭く前方につめタックルを繰り出し、
日本のスタミナを奪い取る南アフリカは控えの8人のうち6人を
FW選手で固め、終始力対決に徹した。

日本は南アフリカの激しい防御にはね返され、
福岡堅樹選手、松島幸太朗選手の両WTBに良い形でボールを運べない
決定機を見つけることができなかった。

▲ラグビーワールドカップ2019年日本大会 10月21日(月)W杯決勝トーナメント【目次】

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