ラグビーワールドカップ2019年日本大会 10月15日(火)
ジャパン代表が運命の日に世界4強のとびらを開ける。
W杯準々決勝、南アフリカ戦(20日、東京・味の素スタジアム)に向け、
15日は東京都内で冒頭15分間の筋力トレーニングを報道陣に披露。
決戦の日は、2016年に胆管細胞ガンで亡くなられた、
元日本代表監督、平尾誠二さん(享年53)の命日。
日本ラグビーの停滞期を支えになって、W杯招致に力を注いだ天国の恩人へ、
三度歴史に残る勝利を贈る。
ラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会、日本はスコットランドとの1次リーグA組最終戦(13日、神奈川県横浜市・日産スタジアム)を28-21で制し、初の8強入りを成し遂げる。
4戦全勝でA組1位になって、世界ランキングは史上最高の7位に浮上。
15日には都内で練習を再始動、決勝トーナメント初戦の準々決勝(20日、午後7時14分開始、東京都調布市・味の素スタジアム)で、B組2位の南アフリカ(世界ランク5位)に挑戦する。(世界ランキングは14日現在)
▼ラグビーワールドカップ2019年日本大会 10月15日(火)【目次】
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出典元:https://spread-sports.jp/archives/34776
ジャパンが世界2位のアイルランド降す大金星 ラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会
1次リーグ A組 日本 28-21 スコットランド
横浜・日産スタジアム 観客数6万7666人
稲垣啓太代表W杯初体験トライ。
泥臭く芝の上をはうごとくタックルを積み重ね、密集で前面に出る縁の下の力持ち、けれども、日本ラグビーの歴史を一変する勝ち越しトライのその瞬間、スポットライトを一身に受けた。
1次リーグA組を日本は4戦全勝の首位でクリア。
接点、密集、セットプレーで強豪と互角以上に張り合ったFW陣をまとめ上げる
プロップの稲垣啓太(パナソニック ワイルドナイツ)は、スコットランド戦でトライを挙げる。
2014年の日本代表デビューから33試合目、2度目のW杯で挙げた代表初体験トライで、
チームを勝利に導く。
同点の前半25分、「ONE TEAM(ワンチーム)」を掲げる日本は、
合い言葉に応じて数珠繋ぎの絶妙なパスを公開する。
フッカー堀江翔太(パナソニック ワイルドナイツ)の突破からFBトゥポウがステップで
スコットランド選手をかわし、ゴール直前まで前進。
タックルを受けながらも体をひねってラストパス。
後ろからしっかりとサポートに走り込んだ稲垣啓太が受け取り、インゴールにダイブする。
感情を外に出さない「笑わない男」で知られる稲垣啓太は、
無反応ではあるが少しビックリしたような顔を浮かべた。
お祝いに駆け寄った仲間たちが、満面の笑い顔を代行。稲垣啓太は
「代表で経験したことのないトライだったけど慣れないので(ボールの)置き方を両手でいってしまった」と笑わす一方、「日本が理想としている(トライ)のとり方であった」と胸を張る。
タックルのたびに立ち上がるスピードがスピーディで、アクティブなプレーが魅力的な29歳。
日本代表ではFWリーダーとなってチームをまとめ上げる。
今回の大会、相手チームを手こずらせている日本のスクラムを
持って生まれた探究心で磨き上げた「スクラム番町」。
新潟市出身、花園常連の新潟工高、関東学院大を経て、2013年に入ったトップリーグ、
パナソニック ワイルドナイツで奪い取ったトライは公式戦で少なくて3つ。
物珍しいトライが命運をかけた一戦で飛び出した。
スクラムやボール争奪戦で第一線に立つプロップは、WTBほど華やかじゃなく、ハーフ団のようにスポットライトを浴びるというのもあまりないが、稲垣啓太は日本躍進の立役者の一人。
「8強といった目標をクリアでき幸せだ。日本タグビー界に新たな歴史を刻み込んだ」と満足感を見せ、「これから新たな挑戦がはじまる、南アフリカ戦のため整えたい」と力説する。
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ボール保持し連続攻撃
ラグビー日本代表は13日、W杯日本大会の1次リーグ最終戦でスコットランドを
接戦の末28-21で降し、初めての決勝トーナメント進出を決定する。
台風19号の余波での強風に変わった試合で、日本はキックの回数を少なくし
FWを中心としてボールを保持して攻撃を連続し、勝機を見つけ出した。
ボールキャリー(回数)日本146-110スコットランド
ボールを前に運ぶ「ボールキャリー」の回数は、日本146回、スコットランド110回を超えた。
一人ひとりの選手は、CTBラファエレ ティモシー(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)14回を記録、CTB中村亮土(サントリーサンゴリアス)11回、フッカー堀江翔太と一緒に続いている。
日本がラックでプレッシャーを与え、スピーディーな球出しから両CTBが
焦ることなくボールを前に運び、試合を優勢に前進させた。
ボールキャリー(距離)日本550-370スコットランド
ボールキャリーで前進した距離は、日本550メートル、スコットランド370メートルを超える。
選手別々に見てみると、日本の4トライ中3トライにからんだWTB福岡堅樹(パナソニック ワイルドナイツ)が110メートルとめざましい、ラファエレ ティモシー85メートル、
WTB松島幸太朗(サントリーサンゴリアス)78メートル。
松島幸太朗が「スコットランドは攻撃を積み重ねるたびに防御が凹凸となるように感じた」と語ったみたいに、連続攻撃でスコットランドのディフェンスに出てきたギャップを日本は両サイドから巧に突いた。
一方で、スコットランドは攻撃の中心FBスチュアート・ホッグのボールキャリーが37メートルに止まった。日本は出足の鍛え抜かれた防御でスペースをつめ、素早いスコットランドバックス陣に対処した。
タックル 日本130-190スコットランド
日本はリードをキープした後半途中から、ボールを保持してFWメインに攻め、
時計を進行させる。タックルの回数は日本130に対して、スコットランド190。
ボールを持って攻勢をしかける日本に対して、スコットランドが守勢に回った結果として。
日本のテーマは、タックル成功率が83%と低迷であった点にある。
ボールを奪取される「ターンオーバー」の回数もスコットランド12に対して、日本15。
次戦で日本がチャレンジする南アフリカは、FWのパワー争いに自信を深めるだけあって、
主将のリーチ マイケルは「南アフリカの勢いをどのようにして押さえるか、自分たちの勢いが作れるかが重要になる」と慎重になる。
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「勇敢な戦士」世界中が称賛
W杯1次リーグを4戦全勝で首位通過し、決勝トーナメント進出を成し遂げた
日本の躍進に、外国からも拍手喝采が押し寄せる。
英BBC放送「ブレイブ・ブロッサムズ(勇敢な桜の戦士)」といった日本代表の愛称を通して、「恐ろしいほどの正確さやスピードでプレーした」とスコットランド戦の戦いをアナウンス。
アジア勢初の8強入りに、「日本が初めての経験で準々決勝に進んだということは、世界のラグビーにおいて大きな前進。この歴史に残る瞬間を大事にしないといけない」と報ずる。
スコットランドの地元紙「スコッツマン」は
「スコットランドの敗退を嘆くよりも、日本の勝利を称えよう」と称賛。
「忘れられる勝利もあるが、この試合はずっと語継がれる」と賛辞を贈る。
また、準々決勝で日本が競り合いする南アフリカの放送局「スーパースポーツ」は、
「熱烈なホームのファンが盛り立てた」とアナウンスし、「スコットランド戦で6万7666人のファンの目前で披露したプレーから考えれば、日本が勝利を収めても4年前ほどの衝撃などない」と、警戒を強くした。
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南アフリカ「日本代表は成長」
1次リーグB組を2位で通過した優勝候補の南アフリカは15日、東京都内で会見。
スティック・アシスタントコーチは「油断せず、見くびらない。ティア2(世界の2番手グループ)なんかだと思わず、世界7位の強国と考えて戦う」とアピール。
その中でも南アフリカが注意するのが、日本が自信を持っている速いテンポのラグビー。
スティックコーチは「オールブラックス(ニュージーランド代表)っぽい展開ラグビーをやってくる。ハンドリング技術に優れ、ボールが手に付いた攻撃はアルゼンチンと一緒だ」と強豪国になぞらえて解説。
日本には初対戦であった前回W杯だ2015年(平成27)第8回イングランド大会は
32-34と逆転負けしたものの、W杯開幕直前の9月6日のテストマッチでは41-7と大勝。
そうだとしてもCTBルカニョ・アムは
「今と比べて重圧の少ない状態であった。W杯の4試合で日本は成長している。強いジャパンについて、コントロールして試合を立ち向かう」と気合を入れ直していた。
南アフリカブルドーザー級突破力
南アフリカは15日東京都内で日本戦に向けての練習をスタート。
W杯で大会連続出場で代表58キャップのFBウィリー・ルルーは
「日本には正確なキックがあって、外には2人のフェラーリ軍団(WTB松島幸太朗、福岡堅樹)を抱えている。一つ一つにフォーカスを当てて、しっかりと守っていくつもり」と、
1次リーグで2人合わせて9トライのWTB松島幸太朗と福岡堅樹を意識。
日本代表内では以前に、ジェイミー・ジョセフHCからロシア戦の3トライで「フェラーリの様」と称えられた松島幸太朗が、次なるアイルランド戦の目前で
「ぼくの中でのフェラーリは福岡堅樹選手」と語り、盛り上がりを見せた。
そうしたキャッチボールをきづく海外メディアから会見で「ロールスロイスにそっくりの選手」と高級車に例えられたウィリー・ルルーは
「ぼくはピッアップトラックというような選手。うまく外の選手を活かしたい」と抑え気味。
攻撃ではボールの運び屋に徹底的に防御では最後の砦FBっぽく日本のエースをストップする。
2015年から2シーズン、トップグループのキヤノンイーグルスでプレー経験をする。
「日本ラグビーは7人制というような速さが見られる」と警戒。
スティック・アシスタントコーチも「オールブラックスと似た感じの展開ラグビーを行ってくる。ティア2としては見ずに、世界ランク7位の強豪国として勝負する」と、
日本の攻撃をW杯2連覇中のニュージーランドと重ねあわせる。
優勝候補が日本に向けて警戒を最大限に高めて、快進撃を阻止する。
ラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会37試合128万人が来場
W杯2019日本大会は1次リーグ終え、国際統括団体ワールドラグビー(WR)と
大会組織委員会が15日、都内で記者会見。
37試合に128万人が来場したと発表。
WRのビル・ボーモント会長は「日本開催に1パーセントも後悔などない。日本チームの結果も見事である。世界ランキング7位。強豪を打ち負かしている」と開催国の取り組みを評価。
大会組織委員会によると、中止の試合が含まれた全48試合のチケット182万枚の内、
99%に該当する180万枚以上を販売。
国内16ヵ所の「ファンゾーン」には86万4000人が来場。
12、13日に開催した4試合に関しましては、台風19号が原因の公共交通機関の運休で観戦することができなかったチケット購入者に向けて払い戻しを検討中。
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