ラグビーW杯2019年日本大会1次リーグ・第17日 10月10日(木)

ラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会9日、静岡スタジアムなどにて1次リーグ
3試合が行われ、日本(世界ランク8位)と同じA組スコットランド(世界ランク9位)が
ロシア(世界ランク20位)に61-0でぶっちぎり。2勝1敗、勝ち点10。

決勝トーナメントをかけ、13日1次リーグA組最終戦(神奈川県横浜市港北区・日産スタジアム)で日本と競り合い。ロシアは4戦全敗でW杯2019日本大会を終わる。

A組アイルランド(世界ランク4位、勝ち点11)が12日のサモア戦(世界ランク15位)で
勝ちを逸すると、勝ち点14の日本の決勝トーナメント進出が確定する。

D組ウェールズ(世界ランク2位)はフィジー(世界ランク11位)に29-17で逆転勝利、
ボーナス点を含め勝ち点14。オーストラリアと一緒に決勝トーナメント進出を確定した。
フィジーは1勝3敗で1次リーグ敗退。

C組は前回4位のアルゼンチン(世界ランク10位)が米国(世界ランク13位)に
47-17で快勝。1次リーグ敗退が決定づけられていた、アルゼンチンは2勝2敗で、
C組3位確定し、次回ラグビーワールドカップ2023第10回フランス大会出場権を確保。
(世界ランキングは8日現在)

▼ラグビーW杯2019年日本大会1次リーグ・第17日 10月10日(木)【目次】

  1. 1次リーグ A組 スコットランド 勝ち点10 61-0 勝ち点0 ロシア
  2. 1次リーグ C組 アルゼンチン 勝ち点11 47-17 勝ち点0 米国
  3. 1次リーグ D組 ウェールズ 勝ち点14 66-7 勝ち点7 フィジー
  4. ワールドカップ(W杯)2019日本代表情報10月9日(水)
  5. サモア戦初先発坂手淳史体を張り勝利に導く
スポンサーリンク

1次リーグ A組 スコットランド 勝ち点10 61-0 勝ち点0 ロシア

静岡県袋井市・静岡スタジアム 観客数4万4123人

スコットランド完勝レギュラー温存9トライ零封ボーナス点確保。
主力のほとんどを温存しつつ、スコットランドは最後まで試合をコントロール。

W杯決戦をマークして温めてきた「2チーム制」が理想的に機能。
逆転の8強進出へ筋書き通りのぶっちぎり。

後半4分、スタンドに陣取るスコットランドファンは喜びの渦に包まれる。
ロシアのキックを自陣でキャッチしWTBダーシー・グレアムがカウンターを仕掛け中央突破。

ロシア陣に入り、フォローしたSHのジョージ・ホーンへラストパス。この日4本目のトライ。
日本との最終戦で1次リーグ突破をバックアップする4トライ以上でボーナス点を獲得。

快勝したサモア戦(9月30日)から先発メンバーを14人入れ替え。10人は今回の大会初先発。

SHグレイグ・レイドローら世界に誇る3選手は控えメンバーからも外す。
中3日で直面する日本戦をマークした作戦。

ボーナス点を手にできるのかが気がかり。ところが、心配はスタートから解消。
SOアダム・ヘイスティングスの正確なキックでFWを前へ出し、
安定感があるセットプレート個人技でトライを積み重ねる。

9トライのぶっちぎりに、アダム・ヘイスティングスは
「ボーナス点が手にできてハッピーだ。ほんとに楽しめた」。

フル出場で26点も荒稼ぎし、有頂天。
思い切った選手抜てきに映ったが必ずしも苦汁の選択じゃなかった。

日本がアイルランドを倒したのは予想外でも、中3日で日本戦を控えている過酷な日程は、
承知の上。8月に2連連続でやったフランスとのテストマッチでも、
この日と同じく先発14人を替えた。

グレガー・タウンセンド監督「代表内に2チームを作り上げる」とビジョンを宣言。
その当時は「控え組」の試合内容はかんばしくなかったが、ずっと先を見つめて粘り強く備え、
本番前に築き上げた。

チームのキャッチフレーズは「As One」(一つになって)。

グレガー・タウンセンド監督は
「あらゆる取り組みが日本に対応するためにならなければならない」と気持ちを引き締めた。
誇り高い「アザミ(国花)の集団」は総力を結集し、筋書きを全うする。

▲ラグビーW杯2019年日本大会1次リーグ・第17日 10月10日(木)【目次】

1次リーグ C組 アルゼンチン 勝ち点11 47-17 勝ち点0 米国

埼玉・熊谷ラグビー場 観客数2万4377人

アルゼンチン本来の実力を示す。
ここに至るまでのうっ憤を晴らす猛攻撃。もうすでに1次リーグ敗退が確実になっていた
アルゼンチンは、最終戦で7トライを奪い取る快勝。

前W杯2015年(平成27)第8回イングランド大会4位のプライドを見せつけた。
攻撃をけん引したのが、前回W杯大会得点王のSOサンチェス。前半18分、
バックスラインでボールを受けると内にステップを切る。

米国選手を引き寄せたときにパスを浮かせると、
CTBフアン クルス・マリアがキャッチ、防御網を突破。
ニコラス・サンチェスはフォローを忘れずに、最後には身をもってパスを受け、先制トライ。

24分には防御の裏にキックを転がし、追加点。
マリオ・レデスマ監督は「目の覚めるような連係だ」と称賛する。

アルゼンチンはチームの底上げを狙って2016年から南半球最高峰リーグ「スーパーラグビー」に、ほぼ代表メンバーで取り揃えた「ジャガーズ」で参戦。

今シーズンは初めての決勝に進み準優勝。ニコラス・サンチェスら
外国でプレーする選手も参加し、W杯で前回を上まわる好成績が求められていました。

けれども、初戦でフランスに2点差で惜敗したところ、
イングランド戦も前半に退場者を出して惨敗。

リズムに乗れない状況で4大会ぶりの1次リーグ敗退。
この日の勝ちで次回W杯2023第10回フランス大会の出場権は獲得。

ニコラス・サンチェスは「今までとはまったく違う姿を見せることが叶った。
笑顔でW杯2019日本大会を終わらすことができた」。
本来の実力を示した司令塔は、スッキリした表情で大会を後にする。

▲ラグビーW杯2019年日本大会1次リーグ・第17日 10月10日(木)【目次】

1次リーグ D組 ウェールズ 勝ち点14 66-7 勝ち点7 フィジー

大分県大分市・昭和電工ドーム大分

ウェールズ古豪の復活歩み確実。
ウェールズがSHガレス・オーウェン・エドワーズら名選手を擁し、
「世界最強」と評価されたのは1970年代。

半世紀近くを過ごした今回の大会、古豪復活への歩みを確実に進行している。
数分でも数秒でも早々に、誰が号砲を鳴らすか。電光石火の攻撃がチームを勢いつけています。

ジョージアとの初戦だとスタート2分にCTBのジョナサン・デーヴィスのトライで先制、
1次リーグD組の究極のライバル、オーストラリア戦でSOダン・ビガーが、
ほんの35秒でドロップゴールを決め、機制を制した。

この試合は序盤で10点のリードを許すが、
バックス陣の展開力にプラスし、的確なキックで流れを変化させた。

ダン・ビガーの的確なキックでトライをつなげ、
持ち前の堅守で耐えぬく、戦い方はしぶとかった。

ロックのアラン ウィン・ジョーンズ主将は
「初めの1、2分で得点したいという気持ちはあります。考えられるだけのパターンを分析し、プレーを選んでいる」と思い起こす。

「先手必勝」にそそぐ集中力は秀でている。
W杯の際好成績は、1987年(昭和62)第1回ニュージーランド/オーストラリア大会3位。

一時の低迷を乗り越えて、2011年(平成23)第7回ニュージーランド大会は4位と復活に向けての足場を築き、前回2015年(平成27)第8回イングランド大会は2度の優勝を誇るオーストラリア(第2回、第4回)、開催地のイングランドと同POOL Aという「死の組」を3勝1敗で抜け出て、8強入り。

今年は欧州6ヵ国対抗で全勝優勝。
8月には少しの間、初の世界ランキング1位に立つことになった。
赤いジャージーと国章に描かれた竜から「レットドラゴン」の異名をとるウェールズ。

W杯初制覇へ、士気は高まっている。

ラグビー ウェールズ

▲ラグビーW杯2019年日本大会1次リーグ・第17日 10月10日(木)【目次】

ワールドカップ(W杯)2019日本代表情報10月9日(水)

日本8強お預けスコットランド恐るべしロシア相手にして9トライ。
ラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会、1次リーグA組上位チームは1試合残して、
勝ち点14で日本がトップ。勝ち点11でアイルランド、
ロシアに大勝したスコットランドが勝ち点10で続く。

12日にアイルランドが格下のサモアから勝ち点5を手にし、勝ち点を16に伸ばすと想定すると、日本の決勝トーナメント進出の条件は、

スコットランド戦での日本8強入りの条件
(アイルランドが全試合を終え勝ち点16の場合)
日本が引き分け以上
敗戦でも7点差以内
スコットランドが4トライ以上
 スコットランド勝ち点15
 日本4トライ以上でボーナス点2、勝ち点16
スコットランドが4トライ未満
 スコットランド勝ち点14
 日本ボーナス点1、勝ち点15

日本は13日スコットランド戦で、勝つか引き分ければ、A組を1位通過。
負けたら、4トライ以上の確保や7点差以内の負けで手にできるボーナス点の状況による。

スコットランドが4トライ以上を入手したら、
ボーナス点2をプラスして勝ち点16だったら1位通過。
ボーナス点1ではスコットランドと勝ち点15で並び、直接対決で負けてしまったので、
1次リーグ敗退になってしまう。

スコットランドが4トライ未満だと、ボーナス点1を加えれば勝ち点15で、
勝ち点14のスコットランドを上回り、2位通過。

▲ラグビーW杯2019年日本大会1次リーグ・第17日 10月10日(木)【目次】

サモア戦初先発坂手淳史体を張り勝利に導く

クリックで拡大
サモア戦初先発坂手淳史体を張り勝利に導く
出典元:https://00m.in/O9pzi

ラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会、日本代表は9日、
W杯の初の決勝トーナメント進出がかかる13日スコットランド戦に備え、東京都内で調整。

3連勝した5日のサモア戦でW杯初先発を果たした、
フッカー坂手淳史(パナソニック ワイルドナイツ)は、
「思うようなプレーができた。自信を次につなげていきたい」と意欲を見せる。

サモア戦で、日本はマイボールのスクラム、
ラインアウトで成功率100%とセットプレーが安定していた。

その中で重要な役割りを担ったのが坂手淳史選手。
坂手淳史は特にスローワーを務めるラインアウトで正確にボールを投じ、攻撃の起点になった。

ロシアとの開幕戦では、後半に途中出場。堅実なプレーで勝利に貢献するなど、
初のW杯で普段通りの力を発揮している。

東京都成章高、帝京大学で経験を積み、2016年に代表デビュー。
同じポジションにはトップリーグ・パナソニック ワイルドナイツの先輩でもある
第一人者の堀江翔太がいるが、坂手淳史は高い身体能力を生かし、
攻撃でも防御でも体を張るプレーで存在感を高めている。

ラインアウトのジャンパーとしてコンビを組むロックのジェームス・ムーア(宗像サニックス)は「坂手は信じられないくらいフィジカルが強く、素晴らしい選手。チームの力になっている」と信頼を寄せる。

日本にとって1次リーグ突破への最後の壁。
スコットランドは、ロックのジョニー・グレイらの強力FWを擁する。

坂手淳史は「後半から出るならば、ゲームにインパクトを与えたい、先発であれば、セットプレーを大事にしていく」。状況に応じ、自らの役割りに徹する。

坂手淳史(さかて あつし)プロフィール

スポンサーリンク