ラグビーW杯2019年日本大会1次リーグ・第5日 9月24日(火)
埼玉・熊谷ラグビー場で1次リーグの試合が行われ、日本と同一のA組で今回の大会初戦のサモア(世界16位)が、開幕戦で日本に勝つことができなかったロシア(世界20位)を34-9で降し、白星スタートした。ロシアは2連敗。
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A組 サモア 勝ち点5 34-9 勝ち点尾0 ロシア
埼玉・熊谷ラグビー場
サモア6トライ快勝。
後半、サモアが炸裂したというより、ロシアの運動量がどうみても落ちてしまった。
ロシアは開幕の日本戦から中3日。リン・ジョーンズ監督はそれの影響力をうち消しても、
ロックのアンドレイ・オストリコフは「後半、いくらかは体に疲労感を思ったところで、相手方に元気が生じた」と思い起こした。
この試合が初戦のサモアは前半、やる気が空回りさせてしまった。
SOトゥシ・ピシは「修正していこうと確かめ合った」。
冷静になった後半は、5トライを積み重ねた。
1次リーグは各組5チームずつで、どうしても試合間隔にバラツキが出てくる。
強豪も一番短い中3日で試合が組み込まれているが、
8強や初優勝を目指すチームにはますます難しい課題。
サモアのスティーブ・ジャクソン監督は「短期で行なわないとならない覚悟はしてきた」。
日本は短くとも中6日試合が空く。
同組の朝も葉、中5日でスコットランド戦の後、中4日で日本戦を控えている。
日本と同一の1次リーグA組に入ったサモア。
W杯では西サモアとされて出場した1991年第2回イングランド大会(平成3)、
1995年第3回南アフリカ大会(平成7)と2大会連続で決勝トーナメントに
進出した地力のあるチーム最年長の37歳、司令塔を務めるSOトゥシ・ピシ。
サモアの首都アピア出身。2009年にTLのサントリーに所属。
切れ味目立つステップと体力の高さを生かした、思い切って突破を行うランプレーが見どころ。
2012~13年シーズンにはTLのプレーオフで最優秀選手に選出され、リーグ2連覇に貢献した。
2016年には世界最高峰リーグ「スーパーラグビー」の日本チーム、サンウルブズ(Sunwolves)のSOとしても大活躍。
「日本は遠く離れたもうひとつのホーム」と話す親日家は、
今回の大会終了したらTLの豊田自動織機でプレーするのが決定されている。
フィジカルのパワフルさと幅広いパスで、世界の強豪をしばしばど肝を抜いてきたサモアですが、最近では落ち込み状態が続いている、2015年第2回イングランド大会の1次リーグでは日本に負けて1勝のみ、2015年以降はテストマッチ(国・地域代表試合)においても振るわず、2014年に8位であった世界ランキングは16位(22日時点)まで低価格になった。
「W杯のロードマップにサモアをもう1度アップしたい」と気を引き締める
スティーブ・ジャクソン監督、大切な今大会の初戦であるロシア戦に
先発で起用されたピシの活躍がチームの浮沈みに影響を及ぼす。
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ロシアのSOユーリ・クシナリョフ
24日のサモア戦が111試合目のテストマッチとなる伝説。
「W杯でロシアが歴史に残る勝利を挙げられれば最高だ」と、
2大会ぶりの大舞台に強い意欲で臨んでいる。
ロシア代表の歴史で初めての100キャップに達した。
ユーリ・クシナリョフの特長は精度の高いキック。
2018年11月に日本と対戦した試合は前半だけで4本のプレースキック(place-kick) に成功し、27-32と接戦に持ち込む火付け役となった。
20日の開幕戦では日本に10-30で敗れてしまったが、背番号10の司令塔となって、
序盤からスペースにキックをピッタリと落とし絶好のチャンスを演出した。
モスクワ出身のユーリ・クシナリョフは納得いくまでロシア国内のクラブに所属し、2005年に代表デビューした。
ロシアは初出場したW杯2011年第7回ニュージーランド大会(平成23)で4戦前敗でしたが、ユーリ・クシナリョフは米国との初戦で先制のPGを決め、ロシアにW杯初得点をもたらした。
「ユーリ・クシナリョフとFBバシリー・アルテミエフはラグビーを精通している」と、
ウェールズ出身のリン・ジョーンズ監督の評価も高い。
34歳で2度目のW杯を迎え、クシナリョフは
「日本と開幕戦で選手に取り返しのつかないケガがなかったのは幸いでした。勝利に向けて皆が力を尽くす準備が行なえている。」との決意で臨んでいる。
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釜石鵜住居復興スタジアム初戦新日鉄OB盛り上げる
ラグビーワールドカップ(W杯)2019年第9回日本大会の12会場の中で、
1つだけ新設した釜石鵜住居復興スタジアム(岩手県釜石市)での
初戦フィジー-ウルグアイが25日開催される。
会場が建てられたのは平成23年3月の東日本大震災で全壊した小中学校跡地。
復興のシンボルとなって誘致したW杯をラグビー熱の高い釜石市民は心待ちしてきた。
その一人が、かつての日本選手権を7連覇し、「北の鉄人」と伝えられた
新日鉄釜石ラグビー部OBの坂下功正(さかしたこうせい 60)さん。
「W杯後も大勢の人を呼び、盛り上げたい」と胸を高鳴らせる。
社名が日本製鉄へと変わった今でも釜石製鉄所に勤めている坂下さん。
震災その日は取り乱す現場で陣頭指揮に当たった。
2ヵ月後、ラグビー部の同僚であった石山次郎(62)さんが「W杯を釜石に呼びたい」と、
日本開催が決定していた大会の試合会場を目指す構想を示し、協力を頼まれた。
けれども市内にはだれきが山積みし、
数え切れないほどの行方不明者もいたのです。
岩手県宮古市出身。
新日鉄釜石では松尾雄治(65)さんとハーフ団を組んで「V7」に貢献。
「勝つことがあたり前。楽ではなかったが、勝つと釜石が盛り上がる」とハードな練習に耐えてきました。
釜石とラグビーへの思い入れはどこの誰よりも強い。
「将来の釜石のことを思って」と松尾さんや神戸製鋼OBの平尾誠二(故人)さんも
応援に着手し、誘致の話がわずかずつ本格化する中、スタジアム建設予定地になった、
鵜住居の住民たちが開催を理解したと耳に入った。
W杯で何といっても心待ちにするのは、子どもたちへの刺激。
「W杯がきっかけとなって、世界に飛び出していく子どももいるかもわからない。フィジーに、ウルグアイまで訪ねていこうかって」。
岩手出身の大リーガー、大谷翔平選手(エンゼルス)を引き合いに、世界トップのプレーを身近な所で感動することによって、スポーツで世界を目指す次なる世代の誕生も心待ちする。
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