陸上スポーツ観戦

1998年 ヒシャム・エルゲルージ(モロッコ)3分26秒00 ローマ(イタリア) 糖質制限

陸上スポーツ
速さ、力強さ、精神力、あますところなくが試されている一般的なスポーツが陸上競技。
オリンピックのモットーとなっている「より速く、より高く、より強く」といった思考に基づく競技が陸上。
屋外やトラックやフィールド、一般道路で開かれ、種目数もさまざま。

競技場
トラック・フィールド
一周400メートルの小判形の競技コースを「トラック」といい、9つ以下のレーンが設置される。その内側や外側を「フィールド」と呼んで、走り幅跳びや棒高跳び、やり投げといった競技スペースが置かれている。

▼陸上スポーツ観戦【目次】

  1. 陸上競技の観戦の基本4つのポイント
  2. 陸上競技これをもっと理解すると楽しめる
  3. 短距離競技 各種目のルールと見どころ
  4. 中・長距離 各種目のルールと見どころ
  5. ハードル ルールと見どころ
  6. リレー ルールと見どころ

陸上競技の観戦の基本4つのポイント

ポイント1
走る、跳ぶ、投げる、運動の基本動作をもとに競り合う
どれだけ早く走るか(歩くか)、遠くへ跳び、投げるか、というようないちばん基本的な運動を競り合う分かりやすい競技。
第1回オリンピックから行っているもっとも伝統的な競技でありながら、ほとんどすべての種目が団体でなくて個人で競り合う。

ポイント2
トラック競技、フィールド競技、ロード競技、混成競技の大きく4つに区分けできる
陸上競技は、行なわれる場所や特性に応じて大きく4つに区分けされる。
均等にラインが引かれたトラック内を走り着順を競り合う「トラック競技」、トラックの内側(一部は外側)にあるフィールドと呼ばれるエリアで跳躍の距離や高さを競ったり指定の用具を投げてその距離を競り合う「フィールド競技」、トラックと一般道路を走る、あるいは歩いて着順を競う「ロード競技」、いくつかの種目をひとりで行なって獲得ポイントで順位を決定づける「混成競技」が挙げられます。

ポイント3
種目は25以上に達し、ひとつひとつルールや見どころに違いがある
4つに大別される競技のなかにも、距離や使う用具などが異なる多くの種目が見られる。
各種目男女ともに行われるため(距離や使う用具の重さは一部違ってくる)、男女分けて数えると50種目近くに達する。
基本的にルールは分かりやすいものなのですが、ひとつひとつ細かな規定もあって、瞬発力、スタミナ、パワー、総合力まで、要求される能力もかなり違うため、異なった魅力を堪能できる。

ポイント4
身一つで自らの限度まで挑む選手の姿に期待
棒高跳び以外では道具いらずで、選手ひとりひとりの力が結果に直結する。
持っている力を出し切るために必要な技術、気持ちを和らげ普段の通りに競技を行うメンタルも重要となり、他の選手にとどまらず自分との闘いにも及ぶ。
ここ一番の勝負でポテンシャルを上回る能力を発揮し、しかも限界を超える選手たちの姿は、万人を釘付けにする。
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陸上競技これをもっと理解すると楽しめる

トラック競技

競技種目
トラック競技の中には、400メートル以内走る「短距離」、それを上回る長めの距離を走る「長距離」、走路に置かれた障害器具を飛び越えながら走る「ハードル」、4人でバトンをつなぎ順番に走る「リレー」が充実している。

短距離 100m、200m、400m
中・長距離 800m、1500m、5000m、10000m、300m障害物
ハードル 100m(女子)、110m(男子)、400m
リレー 4×100m、4×400m、男女混合4×400m

レーンについて

トラックに引かれる白いラインで分かれる一本の走路を「レーン」と呼んで、400m以下の短距離種目では、スタートからフィニッシュまで指定されたレーン内を走らないといけない。
別の走路にはみ出すと失格である。1500m以上の中・長距離種目ではレーンは適用されず、弧状のスタートラインからトラック内を好きなように走る。
けれども800m走では、最初の100mのみレーンを走り、途中からオープンになる。

不正スタート(フライング)

スタートの合図の前にスタートラインを越えることを「不正スタート」(通称:フライング)といい、以前は1回まで許されていたが、ルール改定により1回でも行うと失格になった。
「Set(用意)」の合図から号砲までの間に身体が動いた場合は、注意が行われる場合がある。
短距離はスタートの善し悪しが勝敗を決めることもあって、選手は号砲その瞬間走り出す瞬発力と集中力、そして不正スタートを恐がらないメンタルが必要不可欠。

フィニッシュの判定

フィニッシュは、頭、首、腕、足、手などを除く胴体部分(トルソー)が、フィニッシュラインの手前端に到達したときと定義されます。
フィニッシュの瞬間を1/1000秒単位で撮影行える特殊なカメラを駆使して、順位と記録を審判員が判定します。
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短距離競技 各種目のルールと見どころ

100m

レースを制すれば「人類最速」の栄誉を手に入れられる花形種目。これのみ直走路だけを走る競技なのです。
スタートからフィニッシュまではわずか10秒ほどと、まさしく一瞬にして勝敗が決定する。
100mに欠かせないのは、スタートの反応、トップスピードに到達するまでの速さ(加速力)、後半もスピードをキープするためのスピード持久力、一瞬のうちに速度を速めて逃げ切るタイプと、後半の伸びで勝負にでるタイプと分けられる。

2009年 ウサイン・ボルト(ジャマイカ)9秒58 ベルリン(ドイツ)

1988年 フローレンス・グリフィス=ジョイナー(アメリカ合衆国)10秒49 インディアナポリス(アメリカ)

200m

カーブ80m、直線120mを走る種目。コーナーからスタートするため、スタートダッシュや加速力以上に、スピードを落とさずカーブを曲がるコーナリング技術、後半でスピードを落とさない力がものをいう。

2009年 ウサイン・ボルト(ジャマイカ)19秒19 ベルリン(ドイツ)

1988年 フローレンス・グリフィス=ジョイナー(アメリカ合衆国)21秒34 ソウル(大韓民国)

400m

トラック一周する400mは、200m同様コーナリング技術も重要ですが、もっとも重視されるのはスタミナ。
40秒以上を全速力で走るのには、予想もできないパワーと体力が必要となり、トラック競技の中でもっともハードな種目とされる。

2016年 ウェイド・バンニーキルク(南アフリカ共和国)43秒03 リオデジャネイロ(ブラジル)

1985年 マリタ・コッホ(東ドイツ)47秒60 キャンベラ(オーストラリア)

レーンの決め方

予選のレーンは抽選で決められる。しかし、予選グループの組み合わせは、各選手の最近の記録をもとに、記録上位の選手がぶつからないように考えられています。
準決勝、決勝は、予選の各グループの上位の4名が3~6レーン、5位、6位の選手が7、8レーン、下位2名が1、2レーンから一個一個抽選で決まります。
中央部のレーンのほうが左右に人がいることによって風や音の影響されにくく、好タイムが生まれやすい、といわれるため。
しかし、コーナーからスタートする200mと400mは、カーブがゆるめの7、8レーンが有利、という考えもあります。

クラウチングスタート

短距離のスタートは「かがむ」を意味するクラウチングスタートで行なわれる。まず、「On your maks(位置について)」の合図で両手の指を地面に着く。
足は、原則的には利き脚を前にしてスターティングブロックに置く。次に「Set(用意)」の合図で腰を上げて静止。
最後の号砲と同時に、前方に飛び出すみたいにしてスタートを切る。なお、両足を配するスターティングブロックは、レース前に選手自身で角度、間隔などを調節します。

追い風参考記録

短距離は風向きや風の強さが記録に影響します。特に、100m、200mは追い風によって記録が伸びやすいため、風速が平均秒速2mを超えるとタイムは参考記録となる(順位は認定される)。これを「追い風参考記録」とされる。
他にハードル、走り幅跳び、三段跳びも風速が測られていて、追い風参考記録が採用されます。
測るタイミングと時間は種目たびに異なって、向かい風だけは、風速と無関係に正式記録となって公認されるのです。

100m、人類最速への挑戦

100年ほど以前まで男子100mの世界記録は10秒台後半だったが、2018年現在は9.5秒台に及ぶまで縮められる。なぜならば筋力や技術の進歩などによる人類の進化ともいえる。
1968年、アメリカのジム・ハインズが史上初である9秒台を記録。1991年には陸上界のスーパースター、カール・ルイスが9.8秒台を出し、それ以降も同国のモーリス・グリーン、ジャスティン・ガトリン、タイソン・ゲイ、次から次へスターが生まれ記録を更新してます。
2000年代となって、ジャマイカ勢の台頭が目立ちはじめて、アサファ・パウエルが9秒74の記録を出し注目を浴びると、2008年の北京オリンピック大会にウサイン・ボルトが出現。
決勝では他の者を圧倒して流しながらもフィニッシュ、その記録は9秒69といった劇的なものでした。その翌年にはいよいよ9秒58を記録し、人類初の9.5秒台に到達。
日本においても、桐生祥秀が2017年に日本人史上初の9秒台を記録。体格面で劣ると考えられてきたアジア勢も、今後の飛躍に期待が高まっているわけです。
力の限りに技術を磨いた選手それぞれの1/100秒を争そうここ一番の勝負は、これから先も観るものを圧倒続けることでしょう。
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中・長距離 各種目のルールと見どころ

800m

トラックをピッタリ2週する。スタート後第1コーナー(曲走路)をレーンで走り、1周目の第2コーナーを越えた場所からオープンとなる。
スタートから短距離と変わらない速度を保つため、スピードと体力は重要。オープンになったあとのポジションどりや駆け引き、600mを越えたあたりからのラストスパートもカギです。

2012年 デイヴィッド・レクタ・ルディシャ(ケニア)1分40秒91 ロンドン(イギリス)

1983年 ヤルミラ・クラトフビロバ(チェコスロバキア)1分53秒28 ミュンヘン(ドイツ)

1500m

バックストレートからスタートし、トラックを3と3/4周走る。1500m以上のレースはレーンは使用しないため、スタートラインは弧状となっている。
3分以上走るためスタミナが求められますが、ここ最近スピード化も進行し、かなりハードな種目となっている。
一番最初に上げたスピードを続け、最後も加速するためのペース配分が必須。

1998年 ヒシャム・エルゲルージ(モロッコ)3分26秒00 ローマ(イタリア)

2015年 ゲンゼベ・ディババ(エチオピア)3分50秒07 モナコ

5000m

バックストレートからスタートし、トラックを12周半走る。5000mからは長距離と区分され、持久力がかなり必要になる。
また、選手次第で先行型や追い上げ型とか個性が分けられ、その駆け引きやここ一番の勝負の決断もポイント。
ラスト1周は特に展開がスピーディになり、接触や転倒なんかもあり得る。

2004年 ケネニサ・ベケレ(エチオピア)12分37秒35 ヘンゲロ(オランダ)

10000m

トラックを25周と、トラック競技ではいちばん長い距離を走る。5000m同様、持久力と同時にペース配分や他の選手との駆け引きが必須である。
位置取りやラストスパートによって結果は大きく変化する。長距離はアフリカ勢が間違いなく強力で、欧米、アジアがそれを追う形になります。

2005年 ケネニサ・ベケレ(エチオピア)26分17秒53 ブリュッセル(ベルギー)

2016年 アルマズ・アヤナ(エチオピア)29分17秒45 リオデジャネイロ(ブラジル)

300m障害物

トラックを約7周する間に、障害物を35回(水濠を含む)越えなければいけない。「スティープルチェイス(Steeplechase)」の略で、「3000mSC」と表示される。
持久力、スピードいずれも、障害物では転倒の可能性もあって、水濠で濡れると体力も奪い取られることから、ものすごくハードなレース。

2004年 サイフ・サイード・シャヒーン(カタール)7分53秒63 ブリュッセル(ベルギー)

2018年 ベアトリス・チェプコエチ(ケニア)8分44秒32 モナコ

3000m障害物は35個の障害物をスピード落とさず越える

トラック1周につき5つの障害物を設けられている。障害物の高さは男子91.4cm、女子76.2cmで、障害物のうち1つは長さ3.66mの水濠と定まっています。
障害物を越える際、手を使ってもOKですが、外側を通ったり、くぐったりしてはだめです。スピードを維持しながら、確実に障害物を越える技術が大事。

スタンディングスタート

中・長距離のスタートはスタンディングスタートで行なわれます。
「On your mayks(位置について)」の合図で、立ったまま脚を前後に開き静止する。「Set(用意)」の合図はされず、その状態で号砲でスタート。
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ハードル ルールと見どころ

レーン上にそれぞれの10台のハードルがセットされる。高さと間隔は男女で異なって、男子110mは高さ106.7cm、間隔9.14m、女子100mは高さは少し低く、間隔は8.5m。
400mでは男女とも高さは少し低く、間隔は35mになります。ハードルを飛び越えるとき、故意でない限りなぎ倒しても良く、足がハードルの外側に出ても良いが、バーの高さより低い位置を通過してはいけません。
ハードルを倒すと失速してしまうことだってありますから、無駄のないフォームでしっりと越えることがポイント。

110mハードル

2012年 アリエス・メリット(アメリカ)12秒80 ブリュッセル(ベルギー)

400mハードル

1992年 ケビン・ヤング(アメリカ)46秒78 バルセロナ(スペイン)

100mハードル

2016年 ケンドラ・ハリソン(アメリカ)12秒20 ロンドン(イギリス)

踏み切る足と歩数

あらかたの選手が踏み切る足を決めていて、その足で踏み切れるためにハードルとハードルの間の歩数(インターバル)も一定としている(通常3歩)。
ハードルはリズムがもっとも重要なため、この点がバラバラになるとタイムは伸びてこない。しかし、ハードル間の距離が長い400mでは、踏み切る足を途中で交換する選手も見られます。
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リレー ルールと見どころ

4人の選手がバトンをつなぎ走るリレーは、一人一人の能力も言うまでもなく、バトンパスやチームワークが勝敗を分けます。
ひとり100mずつ走る4×100mリレー、400mずつ走る4×400mリレー、それから東京2020オリンピック大会からプラスされる男女混合4×400mリレーがあって、すべてクラウチングスタートでスタートします。
また、4×100mリレーでは最初から最後までレーン、4×400mリレーでは第2走者以降はオープンである。
なお、渡す前にバトンを落としてしまった場合、渡す側の走者が拾って渡さなくてはいけません。受け取る側が一度手にした後であるならば、どちらが拾っても悪くはない。

4×100mリレー

2012年 ネスタ・カーター、マイケル・フレイター、ヨハン・ブレーク、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)36秒84 ロンドン(イギリス)

4×100mリレー

2012年 ティアナ・マディソン、アリソン・フェリックス、ビアンカ・ナイト、カーメリタ・ジーター(アメリカ)40秒82 ロンドン(イギリス)

1993年 アンドリュー・バルモン、クインシー・ワッツ、ブッチ・レイノルズ、マイケル・ジョンソン(アメリカ)2分54秒29 シュトゥットガルト(ドイツ)

1988年 タチアナ・レドフスカヤ、オルガ・ナザロワ、マリヤ・ピニギナ、オルガ・ブリズギナ(ソビエト)3分15秒17 ソウル(大韓民国)

走者の配置

4人それぞれの個性や特徴を生かした配置がリレーの大きなカギになります。もしも4×100mでは、スタートダッシュの得意とする選手が第1走者、直線の速い選手が第2走者、コーナーワークが得意の選手が第3走者、加速力があって勝負に強い選手が第4走者と、求められる能力は異なっている。
また、第2走者以降は加速しながらバトンを受け取るため、渡す側と受け取る側のスピードに開きがあり過ぎると、失速や失格になってしまう。

テイクオーバーゾーン

バトンを次の走者に中継する区間を「テイクオーバーゾーン」といい、この区間内でバトンを受け渡せないなら失格です。
4×100mリレーは30m、4×400mリレーは20mあり、受け取る走者はこの区間内から走り出さないといけません。
なお、4×100mリレーには以前助走区間(加速ゾーン)があったが、2017年11月に廃止されている。

バトンパスについて

リレーの中でもっとも重要な要素と言えるのがバトンパス。各選手の能力が高くても、もしバトンを落としてしまうと大変なタイムロスとなって、失格になってしまうケースがあります。
バトンパスを迅速に行うことを考えて、トータルのタイムを1秒以上縮めることだって可能に。バトンパスには、受け取る側に上からバトンを渡す「オーバーハンドパス」と下から渡す「アンダーハンドパス」の2種類があるのです。
アンダーハンドパスはより確実に加速が落ちることがないというメリットがあるが、難度が高いことから導入している国は多くない。
日本の男子4×100mリレーは、アンダーハンドパスを取り入れ、繰り返して練習し確実性を向上することで、世界基準のタイムを出しています。

オーバーハンドパス

バトンを受け取る走者が手のひらを上に向けた状態で腕を高く伸ばし、バトンを渡す走者が上から下へと手の上にバトンを乗せるように渡す方法。

アンダーハンドパス

バトンを受け取る走者が手のひらを下に向けた状態で腕を伸ばし、渡す走者が下から上へと手のひらにバトンを押し込むように渡す方法。
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